手術に立ち会って、私が結果を「断言」しなくなった理由
『絶対に成功します』『100%満足します』——医療広告ガイドラインは、こうした断言を禁じています。ルールは守っていましたが、集客に責任を負う当時の私は、あいまいな表現では訴求力がないのでは、と不安でした。考えを改めたのは、ある日、施術の現場に立ち会ったときです。

クリニックのWEB集患と医療広告の表現づくりを支援している、メディカルサインの中村です。
今日は少し、私の昔の話と、表現について考えを改めた日のことを書かせてください。
「断言」は、医療広告ガイドラインで禁止されています
はじめに、前提を整理します。医療広告ガイドラインでは、効果や安全性を保証・断定する表現が禁止されています。たとえば、こういった言い切りです。
- 「絶対に成功します」
- 「100%ご満足いただけます」
- 「必ず効果が出ます」
- 「リスクは一切ありません」
施術には個人差があり、防ぎきれないリスクも残ります。だからこうした断言は事実に反するものとして、虚偽広告・誇大広告にあたると整理されています。
守ってはいた。でも「あいまいでは響かない」と悩んでいた
私は以前、ある美容クリニックでマーケティングの責任者をしていました。ルールですから、こうした断言は使わないようにしていました。
ただ、正直に打ち明けます。当時の私は、別の不安を抱えていました。あいまいな言い方では、患者さんに響かないのではないか。集客の数字に責任を負う立場でしたから、強い言葉を削るたびに、訴求力が落ちる気がして怖かったのです。
ガイドラインは守る。でも、どこかで「もっと言い切れたら集客は楽なのに」と思っていた。それが当時の本音でした。
ある日、手術室で考えを改めた
転機は、ある日訪れました。先生に頼んで、施術の現場に立ち会わせてもらったのです。患者さんを集める言葉を書くなら、その先にある現場を知らないままではいけない。そう思ったからでした。
立ち会って、まず印象に残ったのは空気でした。私自身、邪魔になってはいけないと、その場で固まって緊張していました。ふだん気さくに話す看護師さんも、表情が引き締まり、まるで別人のように見えました。
そして、あらためて知りました。感染症は、どれだけ衛生に気を配り手順を尽くしても、完全には防ぎきれない。鼻の整形も、肌質や脂肪のつき方、年齢で仕上がりは変わり、一ミリの狂いもなく、とは断言できない。
それでも先生は、患者さんの希望に少しでも近づこうと、その日も手を尽くしていました。
絶対はない。でも、できるかぎりを尽くす。現場にあったのは、その誠実さでした。あいまいさを恐れていた自分が、少し恥ずかしくなりました。
それから、ホームページの表現をこう変えた
その日から私は、ホームページの表現を変えました。断言を避けるだけでなく、その代わりに「誠実さ」を書くようにしたのです。
「絶対に満足いただけます」と書きたくなる場面では、こう変えました。「ご希望にできるかぎり近づけるよう、丁寧にうかがって進めます」。
「リスクはありません」ではなく、「リスクをゼロにはできません。だからこそ、こう備えています」と、起こりうることと対策を先に書く。
効果についても、「必ず効果が出ます」ではなく、「個人差があります」と正直に伝えたうえで、どんな方に向くのかを具体的に書く。
不思議なことに、訴求力が落ちるどころか、問い合わせの質が変わっていきました。「正直に書いてあったから、相談したくなった」。そう言ってくださる患者さんが、少しずつ増えたのです。
院長先生と一緒に考えたい、これからのWeb表現
あのとき腑に落ちたのは、こういうことでした。断言を避けるのは、ルールに縛られているからではない。絶対がない現実のなかで、それでも尽くす。その姿勢こそが、いちばん患者さんの信頼につながる、ということです。
私も、強い言葉に頼りたくなる気持ちは、痛いほど分かります。だからこそ今は、院長先生と一緒に、ガイドラインの範囲内で貴院の誠実さが伝わる表現を、ひとつずつ整えていきたいと思っています。
「ガイドラインに触れない範囲で、貴院の良さをどう言葉にすればいいか分からない」と感じられた院長先生は、ぜひ一度ご相談ください。医療現場歴10年の伴走者として、貴院の誠実さが患者さんに伝わるページづくりをお手伝いします。お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。

中村崇雄メディカルサイン代表
20代をWeb業界で、30代を美容クリニックの広報・マーケティング担当として過ごす。2023年にメディカルサインを創業し、「Webと、AIに詳しい人が、院内に一人いる」状態を月額で実現するパートナーとして、医療現場のとなりで伴走している。
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