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「やせ薬」報道から考える、自由診療の広告と信頼

2026年6月2日、糖尿病治療薬『マンジャロ』がSNSで『やせ薬』として広がり、安易な処方も一因と報じられました。副作用の事例は800件以上、糖尿病治療以外では国の救済制度も適用されません。痩身系の自由診療を扱う院長先生に向けて、トレンドに乗る前に一度立ち止まって考えたい、広告の言葉と信頼の守り方をお伝えします。

クリニックのWEB集患や医療広告ガイドライン対応を支援しているメディカルサインの中村です。

2026年6月2日、読売新聞オンラインが、糖尿病治療薬「マンジャロ」をめぐる報道を出しました。SNS上で「やせ薬」として拡散し、個人間の不正売買が横行している。その背景に、医療機関側の安易な処方もあるのではないか、という内容です。

記事によると、副作用として嘔吐や脱水、膵炎などの事例が、医薬品医療機器総合機構に800件以上寄せられています。糖尿病治療以外で使われた場合、薬の副作用に対する国の救済制度が適用されないとも報じられました。厚生労働省も「糖尿病治療以外では有効性や安全性は確認されていない」と説明しています。

痩身メニューを扱うクリニックにとって、これは他人事ではない報道だと感じています。SNSで話題の施術や薬は、たしかに問い合わせを生みます。私自身、美容クリニックのマーケティングを担当していた頃、流行のメニューに集客が一気に集まる場面を何度も見てきました。

話題のメニューほど、いったん立ち止まりたい

新しく話題になったメニューには、広告でも前に出したくなります。検索数が伸び、競合も打ち出している。出さない理由を探すほうが難しい、という空気にもなります。

ここは一度、立ち止まりたい場面です。

今回の報道で問題視されているのは、効果ばかりが強調され、リスクの説明が置き去りにされた発信です。クリニックのホームページでも「週1回の注射で食欲を抑えてダイエット」といった文言が目立つ、と記事は指摘していました。

「39キロ痩せた」のような体験談や、効果を保証するような表現は、医療広告ガイドラインで制限されている領域と重なります。話題だからこそ行政の目も厳しくなりやすく、後から指摘を受けると、集めた集患以上のものを失いかねません。流行の波が大きいときほど、貴院の発信を一度見直しておきたいところです。

広告の言葉は、貴院の信頼とつながっている

自由診療の広告で大切にしたいのは、効果の大きさをうたうことよりも、「何を、どんなリスクのもとに提供しているか」が正直に伝わることだと考えています。

たとえば痩身系のメニューなら、対象になる方とならない方、起こりうる副作用、保険が効かない自由診療であること。こうした情報が施術ページに丁寧に書かれているか。派手な打ち出しに比べると地味ですが、初めて読む患者さんが本当に知りたいのは、むしろこちらの情報です。

リスクを正直に書くと集患が鈍るのでは、と心配される院長先生もいらっしゃいます。私も以前はそう考えていました。けれど実際には、誠実に書かれたページのほうが、来院後のトラブルや認識のずれが減り、結果として長く続く信頼につながっていきます。

これからの集患は、誠実さが土台になる

今回のような報道があると、患者さんは「このクリニックは大丈夫だろうか」という目で、ホームページを見るようになります。話題の薬や施術であればなおさらです。

そんなとき、効果の言葉が並ぶだけのページと、リスクや適応も含めて誠実に書かれたページとでは、伝わる安心感が変わります。前回のコラムでも触れたとおり、生成AIや検索で調べる患者さんが増えるほど、こうした「誰が、何を、どんな前提で提供しているか」が伝わる作りが効いてきます。

医療広告ガイドラインの範囲内で、効果の保証や体験談に頼らず、適応とリスクを丁寧に積み上げる。トレンドに乗るかどうかを判断する前に、まず貴院の発信がこの土台に立っているかを、一度一緒に確かめておきたいところです。誠実さは、流行が過ぎても残る、いちばん確かな集患の土台だと感じています。


「話題の痩身メニューを扱いたいが、広告の表現が不安」「施術ページがガイドラインに沿っているか見てほしい」と感じられた院長先生は、ぜひ一度ご相談ください。医療現場歴10年の伴走者として、貴院サイトの表現チェックから、リスクと適応が伝わる施術ページの設計までを、医療広告ガイドラインの範囲内で整える支援を行っています。お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。


出典: 読売新聞オンライン「SNSで広がる『マンジャロ』の危険な投稿、安易な処方も原因か…膵炎など副作用の事例800件以上」(2026年6月2日配信、https://news.yahoo.co.jp/articles/39f3ec09bb74faa2efbc7385b1072f80789725a8 )、厚生労働省「医療広告ガイドライン」公式ドキュメント、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)への副作用報告(読売新聞報道に基づく)

中村崇雄

中村崇雄メディカルサイン代表

20代をWeb業界で、30代を美容クリニックの広報・マーケティング担当として過ごす。2023年にメディカルサインを創業し、「Webと、AIに詳しい人が、院内に一人いる」状態を月額で実現するパートナーとして、医療現場のとなりで伴走している。

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