クリニックHPの9割がGoogle基準未達——300院調査でわかった3点
2026年5月19日、全国30都道府県・10診療科・300院を対象にしたクリニックホームページの表示速度調査の結果が公表されました。Googleの推奨基準『Good』を満たしているクリニックはわずか10.2%。最大コンテンツ表示時間は基準の約5倍に達していました。患者さんの離脱とSEO順位の両面で集患の足を引っ張っている可能性があります。今回は、貴院が今すぐ確認すべき3つのポイントをお伝えします。

クリニックのWEBやAI活用を支援しているメディカルサインの中村です。
2026年5月19日、クリニックホームページの表示速度に関する独自調査の結果がPR TIMESで公表されました。全国30都道府県・10診療科・300院を対象に、Googleが提供する公式ツール「PageSpeed Insights」を使ってモバイル表示速度を測定したものです。対象院は厚生労働省の医療情報ネットから無作為抽出されており、特定の事業者のクライアントに偏らない、業界全体の現状を映した数字と言えます。
結果は厳しいものでした。Googleが検索順位の評価要素として使っている「Core Web Vitals」のうち、最大コンテンツ表示時間(LCP)の平均値は12.25秒。Googleの推奨基準である2.5秒以下のおよそ5倍です。中央値で見ても8.52秒。測定できた251院のうち、76.9%にあたる193院が「Poor」判定でした。「Good」基準を全項目で満たしたのは、わずか10.2%にとどまりました。
この調査の意味は、特定の一院の問題ではなく、クリニック業界全体のホームページ運用に共通する課題が数字で見える化された、という点にあります。
なぜ表示速度が、いま集患を左右するのか
患者さんの受診行動は、ここ数年で「症状で検索→上位ホームページで比較→電話または予約」が定着しました。検索結果の上位に表示されることも大事ですが、それと同じくらい大事なのが、患者さんがホームページを開いたときに『3秒以内に内容が表示されるか』です。
表示が遅いホームページは、患者さんに何度か共通の動きを取らせます。1つ目は『戻るボタンで検索結果に戻り、別の院を選び直す』。2つ目は『そもそも開く前に閉じる』。3つ目は『電話番号や予約ボタンに到達する前に離脱する』。いずれも、診察前に貴院を選ぶ動機を削ぎ落とすかたちで、確実に集患の数字に効いてきます。
そしてGoogleは、LCPが4秒を超える「Poor」ホームページを、検索結果の上位表示で不利に評価することを公表しています。技術的な話に聞こえますが、これは『遅いホームページを上位に出すと、患者さんがすぐ戻ってきてしまう』という患者体験を、Googleが順位評価に組み込んだ仕組みです。
つまり表示速度の遅さは、患者さんの離脱とSEO順位の低下を同時に引き起こします。コンテンツの質や医療広告ガイドライン対応をどれだけ整えても、表示速度がボトルネックになっていると、その努力が患者さんの目に届かないまま終わってしまう構造です。
整形外科が最も遅く、心療内科でも基準未達という現状
今回の調査で診療科別に集計したところ、最も平均LCPが遅かったのは整形外科の17.25秒でした。Core Web Vitals 全項目を「Good」で満たした院は0%。次いで耳鼻いんこう科(16.66秒)、眼科(14.84秒)が続きます。
院長先生の中には『うちは整形外科じゃないから関係ない』と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、調査結果のもう一つの示唆は、最も速かった心療内科(7.55秒)、内科(8.13秒)、精神科(8.40秒)でも、Googleの推奨基準である2.5秒以下には届いていなかったという点です。
つまり、診療科を問わず、クリニックホームページの表示速度は業界全体で改善余地が大きいという結論になります。整形外科や眼科は施術写真や検査機器の画像が多く、結果的にホームページが重くなりやすい構造を抱えていますが、画像が少ない診療科でも基準未達という事実は、画像最適化だけでは解決しきれない、ホームページの作り方そのものに課題があることを示しています。
貴院が今すぐ確認すべき3つのポイント
1:PageSpeed Insights で自院ホームページの『現在地』を測る
1つ目は、現状把握です。
Google が無料で提供している PageSpeed Insights は、URLを入力するだけで自院ホームページのLCP・FID・CLSを測定し、「Good」「Needs improvement」「Poor」のいずれかで判定してくれます。今回の調査と同じツールです。
院長先生ご自身で測定していただいて構いません。スマホで自院URLを開き、検索エンジンで『PageSpeed Insights』と検索、自院ホームページのURLを入力して「分析」を押すだけです。3〜4秒で結果が出ます。
『Poor』判定だった場合は、貴院のホームページは今回の調査の77%側に入っているということです。患者さんがホームページを開いたときに、まず内容が表示される前に離脱している可能性があります。『Good』判定でも、内訳のLCPが2秒台ギリギリの場合は、画像差し替えや更新のタイミングで容易に「Needs improvement」に落ちます。定期的な測定が必要だと感じます。
2:画像とプラグインを『重い順』に棚卸しする
2つ目は、表示速度を遅くしている原因の特定です。
クリニックホームページで表示速度を圧迫している原因の上位は、概ね決まっています。1つ目は、最適化されていない大きな画像ファイルです。スマホで撮影した数MBの写真がそのままアップされているケースは、今もWordPress製ホームページで多く見かけます。2つ目は、機能を増やすために導入された多数のプラグインや外部スクリプトです。予約システム、チャットボット、SNS埋め込み、アクセス解析タグなどを後から重ねるうちに、ホームページの読み込み処理が肥大化していきます。
整形外科・耳鼻いんこう科・眼科の速度が特に遅かった背景には、症状写真・検査機器写真・院内設備写真など、患者さんへの説明に必要な画像が他の診療科より多いという構造があります。画像を減らせばよいという話ではなく、画像をWebP形式に変換する、表示サイズに合わせて自動で軽量化する仕組みを入れる、ファーストビュー以外の画像は遅延読み込みにする、といった対応が必要になります。
3:開発・保守の体制が『表示速度を見ている人』を抱えているか確認する
3つ目は、これが最も見落とされやすいのですが、ホームページ保守の体制の話です。
クリニックホームページの多くは、開業時に制作会社に発注した状態のまま、その後の運用は院内スタッフがWordPressの管理画面でお知らせを更新する、という体制で回っています。この体制の弱点は、表示速度を継続的に見ている人がいない、という点です。
写真を1枚追加するたび、新しいプラグインを入れるたび、ホームページは少しずつ遅くなっていきます。今回の調査で『Poor』判定の院が77%を占めたのは、おそらく『遅くなったかどうか』を測定する習慣が業界全体に根づいていないことの裏返しです。
医療現場歴10年の伴走者として複数の貴院に入らせていただくと、ここは見落とされがちな盲点です。集患のためのSEO記事を書く前に、コンテンツ追加が逆にホームページを遅くしている、というケースは決して珍しくありません。月に一度はPageSpeed Insightsで測定して数値を残し、悪化していないかを確認する。可能なら、ヘッドレスCMSなど表示速度を構造的に確保できる仕組みへの移行も検討する。この『見ている人を持つ』ことが、長期で見たときの集患の地盤になります。
結論——『コンテンツの中身』の前に『3秒で表示されるか』
今回の調査は、『コンテンツの質を磨く前に、まず3秒以内に表示されるかを確認する必要がある』ことを業界全体に突きつけた格好です。患者さんはコンテンツを読む前に、ホームページが開くかどうかで貴院を判断します。Googleもまた、その患者体験を検索順位に反映させています。
逆に言えば、表示速度を整えるだけで、すでに作ってあるコンテンツが患者さんの目に届きやすくなります。新しいコンテンツを増やすより、まず投資対効果が高い領域かもしれません。
『うちのホームページ、患者さんが3秒以内に内容を見られているだろうか』『PageSpeed Insightsで測ったら何点だろうか』。そう感じられた院長先生は、ぜひ一度ご相談ください。
メディカルサインは、医療現場歴10年と医療広告ガイドラインの実務知識に加え、ヘッドレスCMSによる表示速度の構造的な改善まで含めて、貴院のホームページを横断で点検し、伴走支援しています。お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。
出典: 株式会社SUTEKi「クリニックHP表示速度、Google基準達成は約1割?全国300院の Core Web Vitals を独自調査【クリニック集客の設計図】」(PR TIMES、2026年5月19日10時00分配信、調査日2026年5月18日、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000150325.html )、Google「PageSpeed Insights」「Core Web Vitals」公式ドキュメント、厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」オープンデータ

中村崇雄メディカルサイン代表
20代をWeb業界で、30代を美容クリニックの広報・マーケティング担当として過ごす。2023年にメディカルサインを創業し、「Webと、AIに詳しい人が、院内に一人いる」状態を月額で実現するパートナーとして、医療現場のとなりで伴走している。
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