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GoogleのAI概要、クリック率が底打ち回復——院長先生が今整えるべき『引用される設計』3つ

Ahrefsとseer Interactiveの最新データでは、AI概要が表示される検索の自然クリック率は2025年12月の1.3%から2026年2月の2.4%まで回復しました。一方で戻ってきたクリック数は『AIに引用された院』にだけ集まっています。引用される側に立つために、貴院が今月から整えておきたい設計を3つに絞ってお伝えします。

メディカルサインの中村です。

「AI検索がはじまって、ホームページからの予約数が落ちた気がする」。最近、院長先生からのご相談で増えているテーマです。

本題に入る前に、用語をひとつだけ整理させてください。今回お伝えする「AI概要」は、Googleで検索したときに通常の検索結果の一番上に自動で表示される、AIが生成した要約ボックスのことです。ユーザーが能動的に切り替えて使う「AIモード」とは別の機能で、普段の検索でそのまま目に入るぶん、影響を受ける検索の母数はAI概要のほうが圧倒的に大きい仕組みです。今回はこの「AI概要」の側に話を絞ります。

ただ、ここに来て少し風向きが変わってきました。AhrefsとSeer Interactiveが2026年に入ってから出した最新データでは、Googleの「AI概要」が表示される検索でも、自然検索のクリック率は2025年12月の1.3%から2026年2月の2.4%まで回復しています。

ただ、回復したクリックは均等に戻っていません。AI概要の中に「引用」されている院のリンクは、引用されていない院の2〜5倍のクリック率を獲得しています。

「順位を争う」競争から「引用される」競争へ、とSEO対策は変わってきているとも言えます。今回は、貴院が引用される側に立ち、集患力を高めるために、今すぐ確認したいポイントを3つに絞ってお伝えします。

1つ目:質問の言葉と回答の言葉を、ページの中で揃える

AI概要が引用するのは、ユーザーの質問に「ストレートに答えている」ページです。

たとえば「ボトックス 効果 持続期間」という検索に対して、ページの中に「ボトックスの効果は通常3〜6ヶ月持続します」と短く言い切る一文がある。この形を満たしているページが、AIに拾われやすい構造になっています。

逆に「効果には個人差があります」「詳しくは医師にご相談ください」といった、ぼやかした表現だけで埋まっているページは、AIから引用されにくくなります。

医療広告ガイドラインのルールを守りながら、断定できるところは断定する。条件があるところは条件を明記する。あいまいではなく、明確に伝わるように記載しましょう。

2つ目:構造化データとrobots.txtで、AIに「読みやすい院」になる

AI概要は、ページのHTMLの中身を、人間以上に丁寧に読み取って判断しています。

ここで効いてくるのが、構造化データ(Schema.orgのMedicalClinic、Physician、FAQPage 等)の整備です。ページのどこに診療内容、診療時間、所在地、医師の経歴があるのかを、AIに対して明示的に伝える役割を持ちます。Google が公式に推奨している実装で、AI概要の引用元判断にも実際に効いていることが、複数の調査で確認されています。

もうひとつは robots.txt の見直しです。Googlebot だけでなく、AI 各社のクローラー(GPTBot、ClaudeBot、PerplexityBot 等)に対して、貴院のページを学習・引用に使ってよいかを、ファイル側で意思表示できます。守る・開く、どちらの判断もここで宣言できます。

業界では「llms.txt」という、AI 向けのサイト案内ファイルを置く動きもあります。ただ、Google は2025年に「使わないし、使う予定もない」と公式に否定しており、ChatGPT・Claude 等の主要 AI 側でも、サーバーログ上は実際にアクセスしていないことが報告されています。「入れて害はないが、現時点で効果は未確認」の段階、と見ておく方が実態に近い話です。

構造化データと robots.txt は、患者さんから見える表側のデザインは何も変わりません。ただ、AIから見たときの「貴院の読みやすさ」が一段上がります。

3つ目:『指名検索』される名前を、ホームページの外側に置いておく

3つ目は、検索結果の外側に、貴院の名前が置かれている状態を作ることです。

AI概要の時代に強くなっているのは、患者さんが最初から「○○クリニック 銀座」と院名で検索してくる「指名検索」の流入です。AIに引用される・されないの議論の手前で、患者さんが院名を覚えている院は、検索のルールが変わっても揺らぎません。

院名を覚えてもらう経路は、ホームページの中だけにはありません。Googleビジネスプロフィールの口コミ、Instagramの投稿、看板、ローカル情報誌への掲載、院長先生の取材記事、学会への登壇。こうした「外側」の情報が、AI概要の引用元として参照され、同時に指名検索を生み出します。

ホームページの中だけを磨いても、SEO対策は十分ではありません。むしろ、外側に貴院の情報がどれだけ置かれているか、信頼されているかが、これからの集患の土台になります。

それでも、何から手を付けるか迷うときは

AI概要、構造化データ、robots.txt、指名検索。並べると重いテーマに見えますが、貴院の現状を一度棚卸しすれば、優先順位はおのずと決まります。

メディカルサインは、美容医療現場歴10年と医療広告ガイドラインの実務知識をもとに、AI検索時代の集患設計を院長先生と一緒に組み立てています。「いまの自院がAIから引用される位置にいるのか」を、月1回の訪問で測りながら手を入れる、伴走型の支援が中心です。

「予約数が落ちた気がする」を、感覚から数字に直すところから、ご一緒できればと考えています。


出典: Ahrefs「AI Overviews Reduce Clicks by 34.5%」、Seer Interactive「AIO Impact on Google CTR: 2026 Update」、ALM Corp「Google AI Overviews and Organic CTR in 2026」、Search Engine Roundtable「Google Search Team Does Not Endorse LLMs.txt Files」(2025年)、Search Engine Journal「Google Says LLMs.txt Comparable To Keywords Meta Tag」

貴院の現状を、30分で整理します。

この記事に書いたような課題が、貴院に当てはまっていれば、
一度オンラインでお話しさせてください。